元に戻せばよくなるのだ
私は患者さんに対して「痛い運動は、それ以上やるなと前方に赤ランプが出ているということだから、バック運動しなさい。元に戻せばよくなるのだ」と説明しているが、これをもっと具体的にくだいて言うと、例えば、右の腕がどうも動かしづらい、とします。
無理して動かすと痛い。
なぜ痛いのかというと、そういうふうに動いてもらうとだんだん壊れるから、動けないようにからだの方が防衛しているわけです。
それをね、無理やり引っぱったり捻ったりするから、ますます悪くなるんですよ。
そういう時は決して無理をしてはいけない。痛いとか、動かないということがわかったら、そこに歪みがあるということだから、動かせるギリギリのところから、痛くないラクな方向へうごかせばいい。
元へ戻す運動のコースを整復コースとすれば、このコースへのせればいいんだ。
他人にやってもらっても、自分でやってもいい、とにかく動きの分析を行い、コースを確認して、それにのせることです。
元に戻して、ちゃんと元の所へもってくれば、すぐに元のように動くようになる。ただそれだけのことです。
それだけのことを、私がここでパッパッとやると、今まで口もきけないほど苦しかった痛みが、いっぺんでとれる。
動けなかったものが、すぐその場で動けるようになるのだから、患者の方はもうびっくりして、キョトンとしている。
まるで奇跡のように思えるかもしらんが。わけさえしれば、何もこれはたいしたことじゃない。こんなことはたいしたことじゃない。
何も大発見というほどのことじゃない。こんなことは学問にもならないんです。
だけどもやっぱりこれはお医者さんたちが是が非でも知ってもらわなくっちゃならない。それにはね、皆さん方が十分にこれを理解してくれて、医者を突き上げてもらわないとダメなんですね。
「あんた、これなおせるか、治してみろ。治せないなら俺がなおしてみせる」
「この病気はこうやって治るんだけれども、これはどういうわけで治るんだかわかるか」
なんて医者たちにいうようになれば、医者としてもウカウカしてはおれまいから、勉強せざるを得ないでしょ。
<おそらく、これほど簡単に真実を語っておられる人物は洋の東西を探してもいないと思います。西洋医学を勉強され、その限界を知り、医者の立場から、西洋医学を否定されています。
事実、器質の変化が臓器に現れるまで、病名がつけられず。病名をやっとつけた時点で、医者から何でこんなになるまで放置していたのですか?という矛盾した発言を聞くことがあります。
病名が分かった段階では、もう手遅れ!ということも多いのです。
その点、望診・問診・聞診・切診・舌診・腹診・脈診など様々な診断法がある東洋医学の方がはるかに優れていると思います。
操体では、東洋医学にもない動かして診断する動診があります。
しかし、この動診も進化して現在に至っております。
昨日にも言いましたが、橋本先生の生きておられた時代と現在とは環境・精神状態等の差違があり、それがからだに反映されています。そのため修復コースが必ずしも一定の動きではありません。
現在では、動診も動きよりも、患者さんによる感覚分析を動診としています。つまり、快なのか、不快なのか患者さんに動きながら感覚の聞きわけをしていただくことを動診。そして、快ならば、それを味わうこと、これを治療としています。>
きょうは、ここまで。では ごきげんよう!
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