2010/12/09

からだの設計にミスはない 写本(p116〜117)

それでは早速、写本に入ります。
小指
武道、諸芸、スポーツ、皆小指の効用を再確認されているのが愉快である。馬術でも手綱の捌きは、小指に重点がおかれねばならぬし、剣道でも束の握りは支点が小指にあり、雑巾を絞るようにという。肘を外方に張ってはいけない。走っている車や馬から落ちた場合、怪我せぬ秘訣は、小指にギュッと力を入れて、身を丸くするにあるという。

何故、小指に力を集約することが必要なのか?
小指に力点をおけば、肘がからだの正中に近づくからである。体の崩れとは、重心が中心から、限度を超えて末梢に偏ることである。あらゆる動作は、この中心に近く支点即重心を安定してなされたものが、高能率で疲れが少ない。疲れは、偏在した重力が復元し難くなっている時と所に起こるのである。
崩れぬ体中心に統一されたからだは美しい。又その動作も優美である。フォームの美しさと能率とは一致する。能率の伴わぬ形の美は偽の美である。華道の達人を剣道の達人が斬れないという話をきいたことがあるが、達人ともなれば、からだが安定して、静のうちに動のポテンシャルエナジーが充満しているから、一方の達人からは隙が発見出来なかったのであろう。

<私の師匠・三浦寛先生が、ふらりと街を歩いていると、「何の師範をされておられますか?」と聞かれることがあります。
達人からみれば、我が師匠が達人であることが、直ぐにわかるようです。その点、わたしなんぞ・・話にもなりません。
ただ、脱力し、余分な力を入れず、回りの気配を感じながら歩くことは心がけています。>
今日は、ここまで、では どきげんよう!

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