2010/12/16

からだの設計にミスはない 写本(p121〜122)

早速、写本をいたします。

運動系の能率の項で重心の在り方をのべたことがあるが、呼吸も一つのうんどうであるから他のからだの運動と同一の
理屈がとおるのであり、からだの中心に重心をおくように呼吸をするのが理想であることになる。そのためにはまず重心を中心に安定する姿勢が問題になってくる。各種の体位ごとにそのコツがある。人は活動する時は立位をとることが大部分であるから、まず腰を安定させなければならない。左右の足に平等に体重をかけ、仙骨を第五腰椎の所で正しい前弯をとり、脊柱を正ししてその上に頭部が正しく乗るように姿勢をたださなければ充分なよい呼吸はできない。この正しい姿勢をとることをまず心がけて呼吸の訓練をしなければならない。姿勢が正しくなければ武芸共に充分な域に達することは出来ない。座禅でもこの姿勢がやかましくいわれるのは当然であって、これが可能になって呼吸も思うように出来ることとなる。
腰を反らすのでも腰椎全体が反ってはいけない。一番下の所で反るようにすべきである。大半の人は反るより屈している人が多い。座位の時は特にこれが顕著である。こうなると顎が前に出てきて脊柱は正しい素直さが失われてくる。悪い姿勢は骨格の歪みであるから、この構造の中に固定保護されている内臓や中枢神経が正位を失ってきて、その機能が阻害されてくることになり、自然な生活機能即ち健康が保ちにくくなるのは当然のことである。
腰が後彎している人が練習する時、座位では座布団を一枚尻の下にしいて補助してやるとやりやすい。
<医学用語の前彎・後彎を、操体では後彎曲・前彎曲という言葉に置き換えて使用しています。つまり、前彎=後彎曲、後彎=前彎曲として使用していますが、この橋本先生の文章を読むかぎり、前彎=前彎曲、後彎=後彎曲ととらえたほうが良いように思えます。これは、もう一度考え直してもよい課題のようにも思えます。>
今日はこれまで、 ではごきげんよう!

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