2010/12/14

からだの設計にミスはない 写本(p120〜121)

師走ともなると、回りは忙しいようですが、マイペースでやっていきたいと思います。では、写本。

交感神経が興奮すればハッスルしてくる。血中のアドレナリンが増して血圧は上昇し、体表面の毛細血管は収縮し、皮膚は蒼白となり、はげしければ鳥肌となり、髪の毛は逆立ち、目はつり上がってくる。まさに闘争準備態勢に入る。武者震いさえ起きる。
しかし、気分はイライラしてくる。落ち着きがなくなってくる。けれども、その反対に副交感神経の方の興奮がそれより強ければ、自律神経は互いに拮抗作用が行われるのであるから、気分を落ち着けさせることが出来る。
困難が目前に迫れば誰でも交感神経は興奮して対応準備が出来るよう自然は仕組んであるのだけれども、過ぎたるは及ばざるが如しで、度をこすと身心が固くなって臨機応変が出来ないようになる。困難に際し、又は怒りがこみ上げてきた時、唖々大笑出来る人は達人だといわれているが、この時のメカニズムを考えてみると、ハッハッハと大声に笑えば呼吸はどうなるか。下腹にパッパッパと力が入り腹圧がたかまる。
交感神経の過剰興奮は抑制されることになる。
心が落ち着けば物事を正当に判断出来るから、急速な変化にもそれに応じて対処出来るわけであり、そのような人は達人ということになる。
何もおかしくて笑わなくても、このように呼吸をすることが合目的なわけである。宮本武蔵は試合をするときはいつも対手を待たせてイライラさせて交感神経を興奮させる手段をとった。このように呼吸の仕方によって身心の変化するわけを知ったなら呼吸法を研究する気になるであろう。
事実これは大影響がある。運動する時になるべく吸気は
速く必要なだけ吸い込んでゆっくり呼けばその間に能率をあげることが出来る。
胸元でセカセカする呼吸は頂けないやり方であり、ゆっくり下腹に力を入れて手や肩や首の力をぬいた呼気は安定性を保ち、身心に好影響を及ぼす。しかし、これは一朝にして出来るものではないから習練を要するのであり、これが調息法の訓練なのであり、心がければ常時訓練を積むことが出来る。
長生きする人は長息出来る人である。
<来年の4月に東京操体フォーラム分科会が開催されますが、この時の私のテーマが、息であります。これは、非常に奥が深いものですので、からだを通し、しかも勉強を積み上げた上で仕上げたいと思っています。>
今日は、ここまで、では ごきげんよう!

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