2010/12/10

からだの設計にミスはない 写本(p117〜118)

早速、写本に入りましょう。

書道のことが書いてあった。子供の頃、字を書く時は、肘を張って、腕に力を入れて書くのだと教えられたこともあったが、どうも腑に落ちないでいた。
ある時、当時の満州国皇帝が字を書いている写真を見たことがある。そして私は唸った。椅子に端座して、筆と示指を正中線に立てて、小指と示指の尖端を、筆管を底辺とする三角形の両辺の如く伸ばして、拇指と他の指はその中間を支えている姿であった。そして、その書は、私には頗る美事に観ぜられたのである。
上肢はかくの如く、小指に重点を指向すれば、上肢全体は、からだの正中に近く集約される。手先も全体に統一せられて、その動作は全身一致の妙を発揮する。
しかし、下肢に於いてはその反対である。
足裏にかかる全身の重力は、平均であるが、動作時の重点は外側にあってはいけない。足の外側に重心が偏れば膝が開いて倒れやすくなる。足幅よりも膝幅を開いた相撲の仕切りなどおかしい。そのためには拇趾に力が入る必要がある。動作の秘訣は、手は小指に、足は拇趾に力が入る必要がある。動作の秘訣は、手は小指に、足では拇趾に力を入れるようにすることである。

<前々回の東京操体フォーラムで、南画の大家・田中稲翠先生が、講演をされました。その時、書を書いていてくださいました。その筆の持ち方が、満州国皇帝のものと同じです。
やはり、あの持ち方からからだ全体が流れるような動きになっていました。美事な動きでした。
また、仕切りに関してですが、あれは、腰を落とし、相手の圧力を受け取る為の所作でもあると思います。ですから、私はあの仕切りは正しいと思います。>
きょうは、ここまで、では ごきげんよう!

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