2010/08/08

からだの設計にミスはない 写本(p25)

操体法のひろがり

それにね、遠野市が、あの「遠野物語」(柳田国男)で有名な所だが、一昨年から市をあげてこの操体をやっています。
この町は、国民健康保険が大変な財政負担になっていて、これではとてもやっていけないということで、「病人をなくして、みんな健康に」という運動を操体を中心にやっているのです。
これは岩手放送でとりあげられて、週に1度、半年かけて放送され、ずいぶん話題になったようです。

そして、この遠野市に影響されたのかどうだか、今度は石巻市や胆沢町がやりだした。
石巻市では、国保の関係者が、保健婦を使ったり、ボランテイアなんかをも総動員してやりだしたいというんですよ。

いつだったか、国保の会議があって仙台市の人がでかけたら、石巻の人に「なんだ、俺たちの方ではこんなにやっているのに、お膝元のお前の所はどうしたんだ」とハッパをかけられたとか。

ところがね、最近になってこの仙台市も動き始めたんです。今(1978年)の島野市長は革新系だが、私の所へ患者として来たこともあり、先日も私に「医学の原点に立って、市民の健康というものを開発していこう」と助役ともども約束してくれた。

仙台市は全国に率先して健康都市宣言をしており、健康都市推進局というのがあって、環境整備や福祉の施設づくりは、全国に先がけてどんどんすすんでいるが、いくら「健康・・福祉・・」と叫んで、その要請のもとに施設を充実させたところで、肝心の市民一人一人が生活の根本から改めていこうという気概をもつような運動にしなきゃ何にもならない。

<橋本先生がご存命の時は、このように市をあげて操体を健康作りの基本に据えようとする動きがあったようです。
ただ、現在それがどれほど続いているか、よくわかりません。

ここで、気になることは「操体とは健康体操」だと勘違いされることです。
操体は自然の摂理にそった生き方であり、健康体操ではありません。

自然の摂理にそった動きが、身体運動の法則。
これを、茶目っ気のある橋本先生が、“般若身経”と名付けられました。“般若心経”の心を身と置き換えられて、ニコニコ笑っておられたのだと思います。

ところが、この茶目っ気が一人歩きしてしまい、健康体操になってしまったのです。>

今日は、時間がないので、この辺でお開き!
明日、この続きを書きます。では ごきげんよう!

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