2010/08/13

からだの設計にミスはない 写本(p32〜35)

今日は部屋の整理が8割出来ましたありがとうございます。
今日も写本を中心にどんどん進んでいきます。

西洋医学と漢方医学

人間というのは地上に立って生きている。二本足でたっています。立って動くことによって、からだの中がどういうふうに変化するか、環境とどういう関係を持っていて、どんな影響を受けているか、ということは、人間がいかに生きるかということと密接につながりあっています。

ところが、この二本足でたっている人間、立って動く人間を、現代医学はあんまり勉強していないんだ。

江戸時代末期に西洋医学が入って来て、昔の漢方医学は次第に駆逐されていくのだが、その西洋医学が入って来た時に漢方医が一番ショックを受けたのは、人体の解剖図だったんですね。それを見て、みんな腰抜かした。

漢方医学では、人間のからだの中の方をあまり細かく云々しなかった。従って中がどんなになっているかがはっきりわかっていなかった。小塚ヶ原 あたりの刑場で首を切られた罪人を解剖して、西洋から入って来た解剖図と較べてみると、まさにぴったり符号する。
実に詳細に書き込んである。それでびっくりして腰抜かしたというわけだ。

これはもう、昔から日本でやってきた漢方なんていうものよりも、西洋の医学の方が格段にすばらしい、ということでね、日本の現代医学が始まったことになっています。
漢方医はそれ以後すっかり衰えて隅の方へ押しやられてしまった。

そして今になって又、漢方、漢方と騒ぎ出した。ところが、今、週刊誌とか婦人雑誌とかで盛んに宣伝している漢方というのは、ごく浅い一面的なもので、本当の漢方というのは、そんなに易しいものじゃないんです。

私は現代医学で習わなかったことを、漢方から学んだ。そしてつくづくと思うことは、漢方の考え方の方が、現代医学の考え方より数段と高級だということです。

例えば、現代医学では、腹の中のどこそこが痛くなったら、そこの所を治すことの力を尽くす。
その個所を非常に詳しく研究し分析する。それに対して漢方医学では、からだの変わり方を見ているのです。
こういうふうに変わったら症状は悪いとか軽いとか、古い病気だとか新しい病気だとか、いろいろな変わり方の研究をして処置をする。

今、あなたが「お腹が痛い」と言ってお医者に行きますと、「ああ、これは急性肝炎だ」とか「慢性腎炎で治る見込みはありません」なんて言われます。
そして「これ、かまわないでおくと、だんだん役に立たなくなってくるから、新しい腎臓と入れ換えた方がいいんじゃないですか」と言われることもある。
それまでには至らなくても、「血液を洗ってやって腎臓の代わりにしましょう」なんて言ったりーまあ、そんなふうにまで現代医学は進歩しているんです。
だけども、そんな考え方、少しおかしいと思いませんか?

私の所にもいろいろな患者さんがやってきます。肝臓が悪いとか腎臓が悪いとか、眼が悪い鼻が悪いといろいろなことを言うんですよね。病院でそう言われた、それを治してくれ、と。

私はいつもこう言い返すんだ。
「それじゃ、あなたの肝臓、そこへ出して置いていって下さい。この次までに治しておきますから」とか、「今度痛みだしたら、小包にして送ってよこして下さい」とかね。いくらんなんでも、そんなことできるわけないですよね。

この立って動くからだと、からだの中にある物とが別な物だと思っているんです、現代の医学は。
そして皆さんもしらずしらずのうちにそんな考えになってしまっているんじゃないでしょうか?

<この節は、西洋医学と漢方医学(東洋医学)の違いを簡単に、橋本先生の臨床を通した見方で紹介しています。
西洋医学、東洋医学のどちらにも造詣が深い橋本先生が、長年の研究の末、このような結論に至ったわけです。
つまり、他人任せではからだは治らない、からだの声(原始感覚)をききわけ気持ちよさを味わうと正体に戻っていくという真理を説いているのです。>

今日は、ここまで、それでは ごきげんよう!

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