2010/09/11

からだの設計にミスはない 写本(柏樹社p53〜54)

早速、写本を致します。

     興奮したら耳アカをとれ

二三日前の新聞にこんなことが出ていました。
腹が立った時は、マッチの棒で耳アカをとるんだという。
棒の先に綿なんかつけないで、ただこうやって耳アカをとるようにすると、怒らなくてすむんですって。

こりゃあ、うまいことを考えたなあ、と私は感心したんですよ。それで、私の所に出入りしている若い連中をつかまえては、これはどういうわけだかわかるか、と聞いてみたんだが、みんな首をかしげている。
息子に聞いてみたらすぐ分かった。息子は医者だからね。

何故かというと、耳の穴の皮膚の下の方には迷走神経が来ている。迷走神経というのは、刺激すると咳が出たり、クシャミが出たり、水っぱなが出たりすることがある。

あなたがたは、自律神経失調症という病名を聞いたことがあると思うが、その自律神経というのには、交感神経と副交感神経との二種類があり、片方が興奮すると、もう一方が抑制という働きがある。
どんな内臓にもこの両方の神経がかよっていて、お互いのその拮抗作用でバランスを保つようになっているんです。
そしてこのバランスがくずれると自律神経失調症という病名を頂戴するというわけです。

そういうことで、実はこの迷走神経は副交感神経なんです。
交感神経が興奮してカッカとしているところへ、副交感神経である迷走神経を刺激すると、次第に興奮がおさまってくるというわけです。
ついでに言うと、男性より女性のからだの方が交感神経が興奮しやすく出来ています。
まあ、だらしないダンナに腹が立ったら、ダンナだって外で疲れてるんだから、ヒステリックにわめきたてるより、ちょっとマッチの棒で耳をつついてごらんなさい、いつのまにか怒りがおさまっているからー。

そしてね、この交感神経というのは昼間にうんと働くもんだから、夜寝ている時は副交感神経がはたらく。寝るとからだがやすまるのはそういうふうになっているからです。

<ちなみに、迷走神経は延髄から出て、頸静脈孔という頭蓋の底にある穴を下って、胸部内臓(心臓、肺、食道など)、腹部内臓(胃、小腸、結腸前半、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓など)に至る副交感神経です。
体幹を迷走するように回っているので、この名前がついたようです。
ということは、耳は非常にからだに影響を及ぼすところなんですね。
発生学的にも、外胚葉と内胚葉とが細長く、耳とおへそに当たる2点を中心にゆっくり内に渦巻くように人間のからだは形成されていきます。
この様子だけからも、おへそと耳が大事なことがよくわかります。耳、喉、口、舌、目などは感覚を司る大事な器官。おへそは先天の精をいただく命綱。
耳にピアスをして、失明した事例もあります。へそピアスなんて、からだにはよくないでしょうね。>
きょうは、ここまで、では ごきげんよう!

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